2022.06.099.産業と技術革新の基盤をつくろう

早生桐の植林から手掛けます!
人と環境に配慮した“帰りたくなるオフィス”づくり

働き方の概念が大きく変化している現状を受け、現在大成株式会社が尽力しているのが、新たな就業形態や働く人の環境に正面から向き合ったオフィス作りだ。「T-GARDEN」と呼ばれる空間には、仕事の生産性の向上や、SDGsの観点からサスティナブルな工夫がなされている。そんな、胸を張って広めていきたい“未来型オフィス”について、2人のチームリーダーが想いを語った。

加藤千加良(かとう ちから)
建築・不動産セクター、統括管理セクター管掌 取締役執行役員。アマゾン社とマイクロソフト社のオフィスを見学して衝撃を受け、「T-GARDEN」の着想を得る。同プロジェクトリーダー。SDGs目標の中では、特にエコトピア構想に大きな関心を寄せている。

佐々木功(ささき いさお)
経営企画ユニット、ダイバーシティ戦略ユニット管掌取締役常務執行役員。副社長と共にSDGsへの取り組みを推進する中心的存在。プライベートでは食品ロス問題を意識している。趣味はマラソン。

 

オフィスにもリサイクル・リユースのマインドを
環境にも人間にも優しい「T-GARDEN」とは? 

加藤:「T-GARDEN」というのはSDGsを意識した“空間環境”のことです。現在ベンチャー企業と提携し、オフィス空間としてパッケージ提案をしています。

本来人間は、自然に近い場所にいると生産性が上がるということが医学的に証明されています。空間づくりにおいては、バイオフィリックデザインを取り入れました。また、SDGsの観点から無駄な資源を使わず、リサイクル・リユースを基本とした環境家具「furniTure(ファーニチャー)」を配置しています。このように、バイオフィリックデザインとSDGsの2つを軸として、生産性を上げる面白いオフィス環境を体現化したのが、「T-GARDEN」です。

ここで少し、「T-GARDEN」が生まれたきっかけをお話します。

ビルメンテナンス事業から派生した建築部門が設立から20年が経つ中で、我々がビルの清掃や設備の維持管理をさせていただく間に培ったノウハウを活かし、多様化する職場環境に対応した空間を作れないだろうか、という思いがあったんです。

運良く、3年前にアメリカの有名IT企業のオフィスを見学する機会に恵まれました。そこで見たオフィスは、日本のものと全く違い、まるで植物園のようでした。打ち合わせをする人、集中してデスクワークに励んでいる人など、それぞれ違う使い方をしていましたが、共通していたのはリフレッシュできる環境に移動して頭のスイッチを切り替えている姿でした。それがとにかく衝撃的でしたね。

日本のオフィスも、単に仕事をする場所ではなく、その場にいるからこそ何かを得られるような空間にできないかと考えるようになりました。

「T-GARDEN」を構成する重要な要素の1つが、環境家具「furniTure」です。表面は木の板で化粧していますが、芯材に再生紙を使用しているので驚くほど軽く、断熱性もあります。そしてなんと言っても大きな利点は、自由に形が作れるということです。

この「六角会議室」も芯材は紙です。こんなに大きくても大人2人で組み立てることが可能で、自由に動かすことができます。会議室では1人で集中して作業をするもよし、2人で親密にミーティングをするもよし。モニターやスピーカーを設置することもできます。

このベンチも中身は紙でできています。アームが動かせるので、即席デスクのようにしてパソコン作業をすることも可能です。ここでランチをする方もいますよ。

「furniTure」はリサイクル・リユースの観点から釘などの金具を一切使っていないのが特徴です。すべて分解可能ですし、3分もあれば簡単に組み立てられます。

空間を商材にしているので、音や香り、視覚的要素も大切にしています。例えば、終日鳥や虫の音で演出したり、森をイメージした香りを導入したり、空間の30〜40%の割合でグリーンを配置するなど、学術的な研究に基づいた理論を取り入れながら隅々までこだわり抜いています。

他にも、SDGsに関連したアート作品の展示や

バッテリーを搭載した新型デスク(LOOP LINE)、

 西日を利用したソーラーパネル

など、BCP(事業継続計画)に対応したオプションも用意しています。

このように、「T-GARDEN」は単にカッコいいだけのオフィス空間ではありません。社員も「T-GARDEN」について十分理解していますので、誰もが1つ1つのものに対してきちんと“語る”ことができるのも、SDGs目標を実現していく上で強みになっていると思います。

 

植林から始める早生桐プロジェクトは、
最終目標・エコトピアの実現に向けた大きな第一歩

佐々木:私からは、「T-GARDEN」を構成するプロダクト「furniTure」について説明を加えたいと思います。もともと「furniTure」には、最終段階で木材チップにすることで、バイオマス発電を実現できる仕組みができていました。もちろんこれだけでもSDGsの一環ではありますが、真剣に目標と向き合ったときに、より発展したサーキュラービジネスにできないだろうか、と考えるようになったんです。そこで早生桐と出逢いました。

早生桐とは早生植林材の1つで、早く成長する桐です。一般の桐だと成木まで20年かかるところ、早生桐だと4〜5年で育ちます。しかも、スギやヒノキと比べてなんと10倍ものCO2を吸収することができるんです。家具に加工した後もある程度のCO2を吸収することができるので、その点でも非常に注目されている木材です。

さらなる特徴としては、伐採した後の切り株から新たな木が5〜6回育つことです。長い目で見るとコスト的にも安くなります。

今後は我々自らが早生桐を植林し、それを伐採・加工して「furniTure」を作り、最終的には木材チップを使ってバイオマス発電に活用する循環型の事業を進めていこうと計画しています。

つい先日、三重県いなべ市にて植樹式を行い675本の植樹をしました。1人でも多くの社員に関わってもらいたいという思いから開催したイベントです。当日参加した28名の社員のほとんどは初めての経験でしたので、戸惑いながらも楽しく穴掘りや苗植えを行っていました。当社のSDGs活動に携わったということで、今後より一層SDGsに対する意識を高めてくれることを期待しています。

ゆくゆくは、同じ敷地内にグランピングができる福利厚生施設を作る予定です。別記事(エコトピア)の話で、30年後に自給自足100 %を目指すという目標がありましたが、先ずはここでトライアルをしていこうと思っています。例えば、農作物を作ったり、太陽光発電のエネルギーを活用したりと、いろいろとオプションを増やしていきたいですね。単に植林するだけではなく、周りの環境を活かして最終的なゴールであるエコトピアの実現に向かっていきます。ですから、早生桐の植林は、我々の最終目標に向かうための大きな第1歩と言えるでしょう。

なお、早生桐は2400本の植樹を目標にしていますので、今後はいなべ市の他に数ヵ所の山林や農地を購入してまいります。

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