2024.03.189.産業と技術革新の基盤をつくろう

人間とロボットの共存は可能か
〜警備ロボットugoの活躍〜

近年、ロボット技術は急激に進歩しており、生活の中に目を向けてみるとファミリーレストランの配膳やショッピングモールの掃除等、様々なロボットが活躍しています。

労働人口の減少が著しく加速している中で、今後ロボットの活用、ロボットとの共存は急務となるでしょう。

そこで本記事では以前ご紹介した警備ロボット「ugo」が実際の現場でどのように活躍をしているのか。
そして今後人間とロボットがうまく共存していくためには何が必要なのか。
現場でugoと共に警備業務をされている新居さんにお話しを聞いてきました。

ugoの特徴

そもそも警備ロボットugoはどのような特徴があるのでしょうか。
ugoは警備業務のDX化を促進するアバター警備ロボットで、人手不足、スタッフの高齢化やアナログな管理体制を解消したい等のお悩みを解決してくれます。

そもそも警備の現場では「立哨」という施設の出入口などに立って警戒にあたる仕事や、「巡回」という施設内を見回り、不審物や不審者がいないか、建物に異常がないか等を点検・確認する仕事があります。

ugoであれば、360°カメラで隈なく監視することができる上に 相互通話機能により、 お客様への声掛けや問い合わせ対応も可能です。

そして深夜の巡回警備では暗い建物の中をAIによる自律走行機能で自動巡回ができる上に、エレベーターでの移動操作も可能なため、階を跨いでの巡回が可能です。

エレベーターのボタンも押すことができる。

これまでは属人的だった業務がロボットに代替されることによって仕事のクオリティが安定し、さまざまな業務のログが残りますし、深夜帯では毎時間ごとに必要だった巡回業務をugoに任せることができるので、省人化も実現できますね。

更には立哨業務、巡回業務等あらゆる業務で報告書を日報として記録に残すことを必要とする現場もあると思いますが、T-Spiderと連携することにより日報も自動生成してくれるので、様々な場面で現場の業務効率化を図ることができます。

ということでメリットばかりを紹介してきましたが、実際の現場でugoは活躍しているのでしょうか。
ここからは、ugoを導入している現場で働いている大成株式会社の新居さんに、どのような効果があるのか、反対にデメリットはあるのか、本音をお伺いしました。

自衛隊から警備のお仕事へ

-まず、新居さんは警備の仕事を始めてどれくらい経ちますか?

もうすぐ7年目になります。

-ずっと警備のお仕事をされているのですか?

いいえ。元々は自衛隊として働いていて、転職して警備の仕事に就くことになりました。

-自衛隊からの警備…!なんか安心感ありますね。笑 今の仕事内容は?

役職としては統括副隊長というポジションで、主に統括隊長のサポートやメンバーの教育、隊長が不在の際には統括をしていますね。

-統括って具体的に何をされるのですか?

警備の仕事と言うと立哨や巡回をイメージされる方が多いですよね。
統括の役割としては基本的に防災センターにいてお客様の依頼事項への対応や、有事の際(地震や火災、急病人等)に指揮をとって対応をします。
この現場では統括隊長・統括副隊長・班長・一般隊員という構成で、それぞれ自身の役割を全うして建物とお客様の安心と安全を守っています。

コスパの良さはもちろん、“親近感”も与えている

今では「チームの大切な一員」

-素晴らしいですね。では今回の本題としてこちらの現場でも活躍している警備ロボットの「ugo」について、この現場には何年前から導入しているのですか?

ugo自体は3年以上前からですかね。まだこんなに高性能ではなかった時から一緒に働いています。笑

-そうなのですね。笑 当初はどんな感じだったのですか?

あまり悪くは言えないですが、動きがなめらかではなかったり、音が大きかったり、画面に文字が正しく表示されなかったり、色々ありましたね。
でも今は改善されてしっかりと働いてくれています。

-実際にugoと一緒に働きだしてからどんな変化がありましたか?

まずは立哨業務に関して、現在のビルでは2階や3階に立ってもらっているのですが、以前はそこに必ず人が立っていたので身体的疲労は少なくなっています。
そして深夜の巡回に関しても今は全部ugoがやってくれています。以前は人が巡回していたのですが、そこを代わりにやってくれているので、業務に余裕が生まれていますね。

-では人は防災センターにいて、動くのはugoという役割になっているんですね。

そうですね。エレベーターの操作もできるので、オペレーターが監視していれば問題なく業務ができています。

-なるほど。じゃあ実際にugoが導入したおかげで人員を削減できましたか?

はい。以前の人員体制から、ugoを導入したことによりスタッフを3名削減することができました。

-本当に1人分の活躍をしているのですね!他にはどんなメリットがありますか?

そうですね。我々が立っているとどうしても威圧感があるみたいで…。笑
そういった意味ではugoは見た目がかわいいので、興味本位で近づいてくる人も多いですし、ロボットもさまざまな種類がありますが、ugoはアバター型のロボットということもあって親しみやすいのかなとは思いますね。
最近は毎日行きと帰りに写真撮影をする方がいらっしゃって、愛されていますね!

-毎日はすごいですね!ugoは話すこともできますか?

そうですね。こちらで文字を打って発話させることもできますし、オペレーターの声で会話することもできます。
道案内はもちろん、その時々に合わせた注意喚起やアナウンスが可能です。

-なるほど。お話しを聞いているとお客様にも受け入れられてメリットばかりな気がするのですが、正直デメリットもあったりしますか?

これは人それぞれの感覚なので、先程話したように親近感が湧く方もいらっしゃれば、「人のほうがいい、ロボットだと手抜き感がある」という意見もあります。
もちろん人がいれば解決できる幅も広がるとは思いますし、今はまだ機能としても発展途上な部分があるので、そういったお声も真摯に聞きながらベストな形を見つけていきたいですね。

ちなみに私個人としてはこれまでこの見た目と制服を着ているというのもあって、お客様に挨拶をしたらびっくりされることもあったので、ugoがいてくれると助かっています。笑

-お話ししている中では優しくて威圧感は感じないですが、制服とかでそのように感じることもあるんですね。

そうみたいです。笑
あと、ロボットの魅力としてパフォーマンスが安定している点も挙げられますね。やはり人の場合はその時の体調や仕事歴によってパフォーマンスが変化するので、言ってしまうと不安定ですが、ロボットの場合は常に一定して良いパフォーマンスをしてくれるので、今の立場になるとよりその良さを感じることができます。

-今後、ugoにこんな機能が備わったら良いなと思うところはありますか?

例えば特定の人物(要注意人物等)を記録して、その方が来たらアラートを出すとか、
居眠りをしている人や暴れている人などを自動で行動検知してくれるとか、考えればさまざまありますが、現状はあくまでコスト削減の1つという要素が強い分、機能をつけすぎてコストが高くなっては元も子もないので、徐々にできることを増やしてもらえればと思っています。

-では最後に、今世の中でも人間とロボットの共存が進んでいますが、まだネガティブな声もたくさんあると思います。今後共存を加速させていくためにはどんなことが必要だと思いますか?

一番は実際に触れてみる、体験してみるということだと思います。
人と同じで信頼を得るには接触回数が重要だと思うので、何回も触れて頂いた上で「ロボットを知っている」状態から「活躍できるんだ」と理解してもらうことでポジティブに変わるのではないかなと思います。

-ありがとうございます!今後のugoの活躍も楽しみですね。

まとめ

今回は、現場で活躍する警備ロボット「ugo」について取材を行いました。人とロボットの共存は労働人口の減少が進む現代において、ますます必要になっていきます。近年は、当社でも施設管理のDX化を重要課題として業務効率化・人員削減に積極的に取り組んでいます。無人化は困難でも「ロボットにできることはロボットに任せる」新たな管理手法を確立できるように取り組みを進めてまいります。活用にあたっては、実際に現場で働く社員の理解や導入する側であるお客様の理解も必要不可欠になっていきます。少しでも多くの方々にロボット活用について知ってもらう、理解してもらう活動を今後も行ってまいります。

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