2026.04.138.働きがいも経済成長も

約5,500名の仲間が、もっと働きがいのある職場へ。MVV浸透の軌跡

2026年1月、大成株式会社は、組織エンゲージメント向上において先進的かつ効果的な取り組みの実践企業を表彰する「エンゲージメントアワード2025」に出場。1,300社を超える企業のなかから、「ENGAGEMENT OF THE YEAR(総合グランプリ)」に選ばれました。

評価されたのは、社内SNSを活用しながら取り組んだ「MVV理解浸透改革」です。社内アンケートの結果によると、取り組みを始めてから約10ヶ月で「MVV理解度」が19.8Pt、「MVV浸透度」は16Pt向上しました。

改めて、具体的な成果や取り組み内容、大成が目指す理想の組織の姿について、プロジェクトメンバーの2名に話を伺いました。

全社員のMVV理解度が、約10ヶ月で19.8%UP

ーー「エンゲージメントアワード2025」でプレゼンされた、「MVV理解浸透改革」についてあらためて教えてください。

内山:内容は大きく3つに分かれています。1つ目は「課題と目標」、2つ目は「達成するまでに何をしたのか」3つ目は「成果と今後の展望」です。それぞれお伝えします。

まず、「課題と目標」では、MVV浸透に取り組み始めた背景をお話ししました。

直接的なきっかけは、2022年の社内調査で。「ビジョン」について、認知度はわずか5割、そしてビジョンを行動に移せている社員は4割しかいませんでした。

2024年6月から本格的に会社としてインターナルコミュニケーションを強化していく方針を定め、その企画運営として担当を務めることになりました。そのとき掲げた目標は2025年中にMVVの「理解」を80%に引き上げるというものでした。

(「エンゲージメントアワード2025」プレゼン資料より抜粋)

内山:次に「達成するまでに何をしたのか」では大きく5つの取り組みについてお伝えしました。

(「エンゲージメントアワード2025」プレゼン資料より抜粋)

いずれの取り組みも、社員それぞれのMVVに関する個人的な考えやエピソードを、全社向けに発信することがポイントでした。発信者が特定の社員に偏ることを避けるため、役員から若手まで、あらゆる立場の人が発信する仕組みにしたことも、気をつけたポイントです。

最後に「成果と今後の展望」では、約10ヶ月の取り組みで何が変わったのか、具体的な数字を交えながら説明しました。

(「エンゲージメントアワード2025」プレゼン資料より抜粋)

目標指標である「MVVの理解度」は、目標80%のところ88.1%と大きく伸ばせました。加えて、そもそもMVVに関するアンケートの回答率が大きく上がったことも、ポジティブな変化の表れとして発表させてもらいました。

(「エンゲージメントアワード2025」プレゼン資料より抜粋)

人事が動いた理由「理念を形骸化させてはいけない」

ーープロジェクトは内山さんの思いから始まり、全社的な取り組みに発展していきました。どのようにして取り組みを広げていったのでしょうか

内山:最初は本当に小さな取り組みでした。「MVVについてどう考えていますか」「日々の業務にどう結びつけていますか」と一部署ずつ直接聞いて回り、そこで聞いた声を社内SNSを通じて発信していったのです。

ただ、やればやるほど、広報の発信だけでは組織は変わらないと感じるようになりました。MVVを「ただ知っている」状態から「意識している」状態へと変えるには、評価制度や研修といった人事の仕組みから変える必要があると考えたのです。

しかし、そこに手を入れられるのは人事だけです。そこで山田さんに「MVV浸透を進めたい」と相談をしました。

山田:2024年の冬頃に相談を受けて、最初は「後輩の力になりたい」という気持ちが先にあって取り組み始めました。

しかし、内山さんと一緒に考えるうちに、「MVV浸透は広報に任せるのではなく、人事も協力して取り組むべきテーマだ」と確信しました。会社の掲げる理念を形骸化させず、組織文化として昇華させるには、人事評価や人材育成と連動させなければいけません。リソースを割いてしっかり取り組みたいと上司に相談すると「やってこい」と背中を押してもらい、それから本格的に関わり始めました。

まず取り組んだのは、数値で現状把握をするための体制づくりです。2025年1月に本社社員を対象としたMVV浸透度アンケートを実施し、現状を可視化させました。そこから、管理職向けのMVV研修の実施など、人事の側面からMVV浸透を加速させる取り組みをスタートさせました。

苦労したのは「ゴール」そのものをつくること

ーー取り組みを進めるうえで、とくに難しかったことや苦労したことはありますか。

内山:「そもそも何をもって成功とするのか」という定義自体が難しく、設計に多くの時間を要しました。「MVV浸透って何?」「どうして必要なの?」という勉強から始まり、上司や社内の理解を得ながら、大成に合った目標を自分たちで設定していきました。

ーー施策の中で、とくに大きな転換点となった出来事はありましたか。

内山:山田さん主導で実施した、管理職向けのMVV研修は大きな転換点だったと感じています。

山田:研修のねらいは、管理職一人ひとりが自分とMVVのつながりを深く考え、メンバーへの落とし込み方を自ら言語化できるようになることでした。MVVの必要性を学ぶだけでなく、参加者同士が互いの価値観を語り合い、「自分が大切にしていることはMVVのどこと重なるか」と内省するワークを約4時間かけておこないました。

人事として大切にしたかったのは、研修を「この場限り」で終わらせないことです。終了後、管理職それぞれが「部署として目指す姿」「メンバーへの期待」などを社内SNSで投稿する仕組みにしました。

数値目標ではなく、マネジャー自身の思いや価値観を言葉にすることは、大成ではほぼ初めての試みです。最初は「どう投稿すればいいか」「どう文章にしたらいいか」という問い合わせも多く、内山さんがサポートを続けてくれた結果、研修後は管理職の投稿数が約2倍に増加しました。

内山:この取り組みをきっかけに、管理職の投稿数が一気に増えたことで一気に理念浸透が進んだと感じています。部下にとっては「自分の上司がこんなことを考えていたのか」という発見につながり、その他のメンバーにとっても、自部署以外の管理職層の思いに触れ、自分の考えを深めるきっかけになりました。

研修と発信をセットで設計したことが、組織風土を変えるうえで大きな効果を発揮したと感じています。

5,500名の社員が「全員主役」として輝ける組織を目指して

ーー今後の展望を教えてください。

内山:これまで本社社員を中心に施策を展開してまいりましたが、今後はその「浸透の輪」を全従業員の皆さんへと力強く広げ、組織全体へとつなげていきたいと考えています。

これまでも現業所の皆さんの活躍をインタビュー記事などで発信してまいりましたが、今後はさらにその頻度を高め、全社に届けていきたいと考えています。

役職や立場を問わず、互いの「いい仕事」を知り、「すごいね!」と認め合い、喜び合える。そんな温かい文化を社内全体に浸透させるため、経営と現業所、そして部署間をつなぐ「ハブ」となり、誰もが自分ごととして語り合える環境を設計してまいります。

さらに、内側から湧き上がるこの熱量を「社外広報」へとつなげ、大成ブランドをより強固なものにしていきます。「大成らしさ」が溢れる会社を一歩ずつ創り上げていくことが、私の目標です。

また、2025年11月からは社内ポイント制度の運用もスタートしました。MVV実践記の投稿やサンクスメッセージなどのアクションでポイントがもらえる仕組みです。それによって、各メンバーによる情報発信がさらに活発になることを期待しています。

山田:今回の取り組みでMVVの理解度は向上しましたが、理解と体現は別物です。いかに一人ひとりが「自分事」として捉え、日々の振る舞いに繋げていけるか。それが理念浸透の本質だと考えています。

その自分事化を促す仕掛けの一つが、2023年度から導入した行動指針評価です。自分と向き合う評価の場で指針に触れ、自らの行動を振り返る。このサイクルを繰り返すことで、会社の掲げる指針が徐々に「自分自身の価値観」へと溶け込んでいく。評価制度はそのための強力なサポートツールだと位置づけています。

もちろんMVV浸透はまだ道半ばです。今後は管理職だけでなく、中堅・若手、そして現場の最前線で頑張っていただいている現業所の皆さんへも、広報とタッグを組んでこの輪を広げていく予定です。

 人事としての究極のゴールは、大成を「ここで働いてよかった」と心から思える会社にすること。すべきことが明確で、それが正当に評価され、働く仲間とその価値観を共有できる。そんな環境があってこそ、人は迷いなく仕事に打ち込め、成長や充実感を得られると思います。

「大成らしさ」という共通言語をじっくりと、大切に育てていきたいですね。

内山:引き続き、大成の経営理念「サービスをデザインすることで、社会に喜びと感動を提供する」を、全社員が体現できる日を目指してMVV浸透の取り組みを続けていきたいです。5,500名の仲間が「全員主役」として輝ける組織づくりを目指します。

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