2023.07.315.ジェンダー平等を実現しよう

誰もが自分らしくいられる社会を 〜LGBTQ+研修〜

SDGsの重要なテーマである多様性。これまで本記事ではジェンダーや外国人社員等についてピックアップをしてきましたが、今回は「LGBTQ+」について正面から向き合い、当事者の方々からお話を伺いました。

そもそもLGBTQ+とは?

そもそも、LGBTQ+とは、

L(レズビアン):女性同性愛者
G(ゲイ):男性同性愛者
B(バイセクシュアル): 両性愛者
T(トランスジェンダー):体の性別(戸籍の性別)と心の性別(自認している性別)が不一致
※トランスジェンダーに性的指向は関係ない。
Q(クィア、クエスチョニング)
 クィア:性的マイノリティを包括した言葉
 クエスチョニング:自身の性自認や性的指向が定まっていない、もしくは意図的に定めていないセクシュアリティ

の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつとして使われています。

そして他にも

Xジェンダー:相手の性のあり方に関係なく人を愛する
A(ア)セクシュアル:他者に性的な興味関心を抱かない
A(ア)ロマンティック:他者に恋愛感情を抱かない
パンセクシュアル:性的指向が性別にとらわれない

など、多様な性自認・性的指向の在り方があるという意味で、LGBTQ+という言葉を使います。

では実際どれくらいの方がLGBTQ+に該当するのでしょうか。
日本におけるLGBTQの割合は、調査機関・調査方法によってデータにバラつきがありますが、現在では約3%〜10%と言われています。

10%と言うと、日本における左利きやAB型の割合と同じなので、「意外に多いかも?」と思った方もいるでしょう。
ちなみにアメリカでは米世論調査会社ギャラップ社によると、LGBTQを自認していると回答した米国人成人の割合は、2012年の3.5%から、21年には7.1%と倍増しており、
その中でも特に注目すべきなのは、この増加に寄与しているのが1981年〜96年生まれのミレニアル世代が10.5%、そして1997年~2003年に誕生したZ世代が約21%と若い世代になればなるほど増加しています。

これは単に人数が増えたというわけではなく、デジタルネイティブであるZ世代は多様な価値観に触れる機会が多く、“自分らしさ”を公言しやすい世の中になってきたのかもしれません。

無知がゆえにたくさん子供に心無い言葉をかけてしまった

そこで今回はLGBTQ+について東海地方を中心に出張授業、講演を行っているNPO法人ASTA様に、弊社社員向けにLGBTQ+研修を実施していただきました。
その中から抜粋して内容をご紹介します。

●当事者のライフヒストリー

それぞれの立場から感じたこと、知ってほしいことを赤裸々にお話しいただきました。

ALLY(アライ)になるために

あなたの身近なところにいる当事者の方々からカミングアウトを受けた場合、どのように接すれば良いのでしょうか。

①Microaggression(マイクロアグレッション)をしない
「マイクロ(小さな)アグレッション(攻撃性)」=人と関わるとき、相手を差別したり、傷つけたりする意図はないのに、相手の心にちょっとした影をおとすような言動や行動をしてしまうこと。
例)「好きな異性のタイプは?」
 →「異性愛」を前提とした質問になっている。異性愛でない人は、苦痛を感じる場合がある。

②ALLYになる
前述した2名の方に共通していたのはALLYの人がいたから命がある、今があるということです。
当事者の約6割がいじめや暴力を受けたことがある、約7割が自殺を考えたことがあるというデータがあります。よってALLYの存在がいかに重要かということがわかります。

ALLYになるためには…
1.知る→まずはLGBTQ+について知ること。
2.変わる→言動に気を付ける。コミュニティや講演に行ってみるのも良い。
3.表明する→レインボーカラーは多様性に配慮しているというメッセージにもなる。
多くの企業がレインボーカラーを使ったメッセージを発信。

③アウティングをしない
アウティング=当事者の合意なしにカミングアウト内容を他者に話すこと。
カミングアウトは当事者にとって、ものすごく勇気のいる決断です。カミングアウトする理由は人それぞれであり、必要最低限の人にしか話さないこともあります。

もちろんLGBTQ+を受け入れられないという考えもあるとは思うが、やはりまずは知ることが大切であると考えます。カミングアウト待ちではなく、LGBTQ+のことを理解し、少しでもALLYを表明する人が増えれば救われる人もいるのではないでしょうか。

社員の反応は?

今回の研修を受け、社員はどのように感じたのでしょうか。
実は研修前にアンケートを取ったところ、そもそも性の多様性について家族で話したことがある方は半数以下、そして学校で教えてもらったことがあるという方に至っては約16%という結果で、これまであまり日常で話すことがなかったがために理解をする機会が少なかったことがわかります。

そして上の図にもある通り、「上司や部下にセクシャルマイノリティがいたら抵抗がある」と答えた方は研修以前では7%であったが、研修後では1%と減少、
「困っているLGBTQ+の人がいたら、味方になりたい」については、研修前は17%の社員が「思わない」「あまり思わない」であったのに対し、研修後は2.5%まで減少しました。

この研修で当事者や当事者のご家族のお話を聞き、LGBTQ+への理解が進み、今後の行動にまで影響する結果となり、
更には無意識の中でマイクロアグレッションをしていたかもと気づいた方や、これからはALLYでありたいと決心をされる方が多くいました。

これからの大成

今回の研修で当事者の方々の生の声を聞き、ジェンダーアイデンティティを受け入れるために戦ってきた姿勢や差別偏見に立ち向かう勇気に感銘を受けました。

弊社は、今年の6月3日に開催された「名古屋レインボープライド」に参加・協賛いたしました。
日本各地で開催されている「レインボープライド」の一環として行われる活動の一つで、レインボープライドは性別、性的指向、性自認、身体的特徴、国籍、信条、年齢などさまざまな個性を持つ人々が自分自身に誇りをもち、共感する仲間たちとともに多様性を祝うイベントとなっています。

弊社のダイバーシティポリシーである「多種多様な人材が様々な環境で活躍し、変わりゆく時代と共に成長する組織を創る。大成株式会社はDE&Iを推進します。」を今後も体現すべく、さまざまなマイノリティ人材の活躍を支援していくために職場環境作りをこれからも行ってまいります。

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